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臨床検査 |
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| 話題の菌 セラチアによる院内感染 |
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最近、セラチアによる院内感染がマスコミに取り上げられ問題になっています。
セラチアは大腸菌などと同じ腸内細菌科のグラム染色性陰性の小桿菌で、水・土
壌・食品、およびヒトや動物の腸管内など自然界に広く分布しています。本来それ
ほど病原性の強い菌ではなく、健常者が感染・発症するのは稀なのですが、術後
や重篤な疾患などが原因で抵抗力の減弱した患者(易感染性宿主)に感染するこ
とがある、いわゆる日和見感染の病原菌です。特に、血液・腹水・髄液などから検
出される場合、グラム陰性桿菌の持っている内毒素(エンドトキシン)に誘発され、
エンドトキシンショックを起こし、多臓器不全に陥る場合があります。
病院内は、術後や基礎疾患などの理由から易感染性宿主(compromised host)
が多く、日和見感染の起こりやすい環境です。特に、治療のために点滴やカテー
テルを挿入・留置している場合、この部分から病原菌が体内に入り込み、感染が
起きやすくなります。カテーテル感染の場合、患者さんの状態にもよりますが、カ
テーテルを抜去しただけで治癒することも多く、必要があれば抗生物質の投与が
行われます。起炎菌としては、黄色ブドウ球菌やコアグラーゼ陰性ブドウ球菌、真
菌ではカンジダ属が多く、セラチアなどのグラム陰性桿菌は少ないのですが、エン
ドトキシンショックの合併により、急激に重症化しやすいので注意が必要です。
予防法としては、まずはなんといっても石鹸と流水による手洗いです。とにかく手指
をきれいに保ち、接触感染を防ぐことが第一です。汚れた手であちこち触れて回る
のは、汚染エリアを広げてしまうことになります。また、カテーテル挿入などの医療
行為における無菌的操作、医療器具・投与薬剤などの無菌管理が必要です。
特に、無菌操作時に必須な消毒薬ですが、過信は禁物です。今のところ、すべて
の微生物に有効で万能な消毒薬はありません。また有効とされているものであっ
ても、使い方を誤れば、急激に殺菌力が低下することがあります。セラチアに関し
ては、塩化ベンザルコニウムに耐性を示すものや、効力の落ちたアルコール綿の
中では死滅しないものも確認されています。消毒薬の大量の作りおきや同一容器
への継ぎ足しはやめましょう。
最後に、近年、細菌の薬剤耐性化が問題になっており、セラチアも例外ではありま せん。ペニシリン系、第一・第二世代セフェム系だけではなく、一部の第三セフェム 系(CTX等)、新キノロン系・アミノ配糖体・テトラサイクリンなどにも耐性菌が出現
しています。最も耐性菌が少ないカルバペル系もいずれは・・と危惧されています。
新薬が出る度に耐性菌が出現し、また新薬を開発さぜるを得なくなるイタチゴッコ
が長年繰り返され、抗生剤を乱用し続けてきた報いとも言われています。 |
果たして、この知恵くらべの軍配はどちらに上がる
のでしょうか、そして今、私たちがなすべきことは何
なのでしょうか? |
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